普段通り使えていたスマホをうっかり落とした後、突然「圏外」になってしまった経験はありませんか?
再起動しても改善せず、別の場所に移動しても電波が入らない…。
このような症状は、内部のアンテナや通信関連部品が故障している可能性があります。
今回は、落下後に起きるアンテナ不良の原因と対処法について解説します。
1. スマホのアンテナの仕組み
スマホには、通話やモバイルデータ通信を行うための「セルラーアンテナ」が内蔵されています。
最近の機種ではフレームや背面パネルの一部がアンテナとして機能しており、物理的なアンテナ線が基板と接続されています。
これが断線・接触不良を起こすと、正常に電波を受信できなくなります。
2. 落下によるアンテナ不良の原因
落下は、見た目に傷がなくても内部に大きなダメージを与えることがあります。
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アンテナケーブルの外れや断線
基板とアンテナをつなぐ細い同軸ケーブルが衝撃で外れたり切れたりします。ケーブルは非常に繊細で、強い衝撃に弱い部分です。 -
アンテナモジュールの破損
5GやLTE対応機種では複数のアンテナモジュールが配置されており、1つが壊れるだけでも受信感度が著しく低下する場合があります。 -
基板の損傷
落下で基板が歪むと、アンテナ接続部や通信チップ周辺にクラック(ひび)が入り、電波が入らなくなります。 -
SIMカードスロットの不具合
衝撃でSIMカードの接点がずれたり、スロットが破損することで通信できなくなるケースもあります。
3. アンテナ不良と判断できる症状
落下後、以下のような状態が続く場合はアンテナ不良の可能性が高いです。
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常に「圏外」表示
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圏外と電波有りを短時間で繰り返す
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他のスマホでは電波が入る場所でも自分のスマホだけ圏外
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Wi-FiやBluetoothは使えるが、通話やモバイルデータができない
※Wi-FiやBluetoothのアンテナはセルラーアンテナとは別なので、これらが使える場合でも携帯電波が受信できないことはあります。
4. 応急処置で試せること
修理に出す前に、以下の方法を試すことで改善する場合があります。
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SIMカードを抜き差しする
SIMカードがずれている場合、正しく挿し直すことで復旧することがあります。 -
ネットワーク設定のリセット
設定 → 一般(またはシステム) → リセット → ネットワーク設定をリセット
認証情報は消えますが、通信設定が初期化され改善する可能性があります。 -
機内モードのオン・オフ
一時的に通信機能を切って再接続すると、電波が復活する場合があります。 -
別のSIMカードで動作確認
SIMカード自体の故障か、本体の問題かを切り分けられます。
5. 修理が必要なケース
上記を試しても改善しない場合、内部のアンテナケーブルや通信モジュールの交換が必要です。
アンテナ部品は機種ごとに構造が異なり、精密な分解作業が求められます。
また、基板損傷やはんだクラックが原因の場合は、高度な修理技術が必要になります。
6. まとめ
スマホは精密機器のため、落下の衝撃でアンテナ関連部品が壊れることがあります。
見た目に問題がなくても、内部では断線や接触不良が起きていることがあるため、自己修理はおすすめできません。
特に5G対応機種はアンテナ構造が複雑で、適切な修理には専門知識と専用工具が不可欠です。
スマホシェルジュ秋葉原では、アンテナケーブル交換から基板修理まで即日対応可能。
「落とした後から圏外が続く」「急に電波が弱くなった」などの症状があれば、データそのままで修理できるうちにご相談ください。
放置すれば基板のダメージが進行し、修理不能になるケースもあります。
早めの対応が、通信環境と大切なデータを守るカギです。